CO2削減への取組み
はじめに
1997年に地球温暖化防止京都会議が開催され、気候変動に関する国際連合枠組条約(京都議定書)が議決されました。そこでは地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素等を日本において、2008年から2012年までの平均で削減率を1990年基準としてマイナス6%と定められ、CO2削減と省エネルギー化が待ったなしの状況になっています。
加島鍛工(株)としましては、高性能工業炉(リジエネ炉)を導入することにより、CO2削減はもとより、省エネルギー化を実現することができました。
事業の目的
プッシャ―式鍛造加熱炉の燃焼バーナをリジエネバーナ方式に改造し、CO2削減と省エネルギーを計る。
事業概要
プッシャ―式鍛造加熱炉 3基(1t/h×2基・0.5t/h 1基)を天然ガス焚きリジエネバーナに改造する。
加熱方式(A重油)をクリーンな天然ガス焚きリジエネバーナ方式に変更し燃焼空気を予熱(1000℃)することで30%の省エネルギーを計る。同時に自動点火方式の導入で省人化・省力化を計り、又排気ガス中のCO2も減少させる。
先進性
連続プッシャー式鍛造加熱炉にリジエネバーナ方式を採用するのは鍛造業界では先進的であり、今回採用したセルフリジエネバーナは、一対2台のバーナを一体化したもので、さらにバーナ本体に蓄熱体を内蔵しているので、非常にコンパクト化されている。従って連続プッシャー式鍛造加熱炉にリジエネバーナを設置採用することができるようになった。
導入前後の比較図
導 入 前 |
導 入 後 燃焼空気を1000℃まで予熱し、処理物温度(炉内温度)は1250℃とする。プッシャー式鍛造加熱炉3基を天然ガス焚きに改造する。 |
導入前後の工事写真
プッシャー式鍛造加熱炉 改造前
リジエネバーナタイル
リジエネバーナ 取付後の全容
省エネルギー 実績一覧表
事業前 | 事業計画 | 事業後 | |||||
単 位 | 2001年 | 2004年 | |||||
生 産 量 | トン/年 | 1,785 | 1,785 | 2,595 | |||
電力使用量 | 万kwh/年 | 79×2.65 |
79×2.65 | 93×2.65 | |||
A重油 | kl/年 | 236×1.01 | |||||
LNG | トン/年 | 84×1.41 | 126×1.41 | ||||
(都市ガス使用量) | 千m3/年 | (151/1193) | |||||
生 産 量 | t/年 | 1,785 | a | 1,785 | a | 2,595 | a' |
電力(原油換算) | kl/年 | 209 | 188 | 246 | |||
A重油(原油換算) | kl/年 | 238 | |||||
LNG(原油換算) | kl/年 | 118 | 178 | ||||
原油換算量 | kl/年 | 448 | b | 306 | c | 424 | c |
原油換算原単位 | kl/トン | 0.25 | d | 0.17 | e | 0.16 | e |
事業設備原単位 | kl/トン | 0.13 | d' | 0.07 | e' | ||
【省エネ効果】 | |||||||
省 エ ネ 率 | (d−e)/d | 29% | f | 35% | f | ||
省 エ ネ 量 | a×(d−e) | 125kl | g | 156kl | g | ||
導入設備削減量 | a'×(d'−e') | 156kl | |||||
CO2排出比 | 65.00% |
工場全体で CO2 が 35% 削減されました。
工場全体エネルギー使用実績
※まとめ
- CO2排出量が 35% 削減。
- エネルギー消費量が 35% 削減。
- 温度制御が良く品質が安定。
- 工場内がクリーンになった。
- 騒音(燃焼音)の減少。
- 消防法から免除。